三学期の始業式。


久しぶりに顔を出した教室。

真っ先に悲しみを覚えたのは二学期の間、
祐未がずっと使っていた机の上には、花瓶に花が活けられていた。



ずっと虐められて、机に花を飾られることはあったけど……
今は虐めじゃなくて、本当に祐未が死んでしまったのだと強く思い知らされた。



祐未が使っていた机に指先を触れる。



そこで笑いながら、私たちに手を振る祐未の姿は思いだせるのに
その場所に祐未は居ないのだと、祐未が居ない世界を突きつけられた。




いつもの様に始業式に参列して教室へと戻ってくる。




いつもと同じ教室風景なのに、
何故かいつもと違う殺風景な世界に私は溜息を吐き出した。




今日は……紗雪も熱が下がらなくて、
シスターの判断で養護室で休むことになった。




……紗雪が居ないから……多分、余計に寂しさが増すんだよ。



いつも会一緒に居ることになれ過ぎてしまったから……。



そんな自己暗示を必死にかけながら、
ホームルームをやり過ごした。