ホラー妄想の末路

沙愛来ちゃんによると。

先生は教室に入るといきなり苦しみだし、『ごめんなさい……お願いします許してください……許して許して……』と、宙を見ながら繰り返し言っていたそうだ。

そして、先生の身体から突然、血が吹き出てきて……今に至るという。

「そうなんだ……沙愛来ちゃん、大丈夫なの?」

「うん、大丈夫、ありがとー。やっぱ美音は優しいね!」

沙愛来ちゃんは束ねてある短い髪を揺らして言った。


「いや、そんなことないよ」

……だって、先生を殺したのは、ほかでもない私だもん。


「ううん、優しいよ。美音が親友で良かったー!」

……私達っていつから親友になったっけ?


「それにしても、これ、幽霊の仕業かなぁ……」

……いえ、私が殺りました。