その事実が私の心を踊らせる。


不審者の言っていたことが、現実になった。

嫌いな相手を、殺せる。

それでも私は罪に、問われない。


こんなに、《私から》みて幸せ者だと感じたのは何年ぶりだろう。

つい、口角が上がってしまう。

「み、美音……うぅ」

呼ばれた方を見ると、よく一緒に行動する沙愛来ちゃんが。

「沙愛来ちゃん、これは……?」

笑いを必死で我慢して、聞く。

「あのね……」