雄大は愚痴や文句ばかりでは無く、おかしなズレたことを言いはじめる。
手も回らず何も余裕が無い状態で次々に二店舗目を出したい、飲み屋を出したいと言いはじめた。
雄大『数ヶ月の勤務経験でも独立はできるんだよ。
できないという考えは一般的な考えでしかないでしょ?
優美もそういってたよね?
できない人間はできないんだよ。俺はできない人間にはなりたくない。
優美と早く一緒になりたいんだ‥。』
優美(真面に上手くいっている人に‥雄大のような破壊的で否定的な人はあまりみたことないけど‥雄大なりに上手くいけばいい‥。)
優美『雄大‥落ち着いて。焦らないで‥。
まず‥今の一店舗目にどれだけ力を注げるかじゃないかな‥どれだけお客様に喜んでもらえるかを考えたほうがいい‥
今のお店でできることは沢山あるよ‥
無理をするのではなく‥努力すれば楽しくなるよ‥
気持ちはわかるけど‥。
そんなに今の仕事‥辛いの‥?楽しくない‥?』
雄大『楽しくはないね‥面白くもない‥生活のために続けてるけど‥早く成功して40代には引退したいね。働かなくても収入が入ってくるようにしたい。そんな人間いっぱいいるよ。
世の中、所詮は金だよ。』
優美『‥‥‥。
まだはじめて一年も経ってないんだよね‥?』
いつも雄大のあまりに傲慢な心に優美は言葉を失うことばかりになっていた。
優美(なんて言ったらいいんだろう‥
偉そうなことも言えないけど‥
きっと‥違い過ぎるのかも‥。
いくら仕事で上手くいっても‥雄大は幸せにはなれないんだろうな‥。)
雄大『俺‥行き詰まってるんだ。
仕事も楽しくない‥
身が入らなくて‥。
お金のことばかり考える。
優美といる時は、全てを忘れられるんだ‥。
俺‥どうしたらいいのかわからない‥。』
雄大は優美にそんな話ばかりだった。
優美『それも‥お金ももちろん大切‥。
私達は紙幣で動き動かしてる。
でも心まで完全に紙幣に依存していたら‥‥辛い。
雄大は自分の創ったもので人が喜んでくれるのが嬉しい。人の出会いや縁を繋ぐのが嬉しい‥だからこの仕事をしたって言ってたのを覚えてる‥かな‥?
こんなこと言ったら‥また変わってるって思われるのかもしれないけど‥
もう一度‥その時の雄大を探して‥みつけて。
しかもそれは誰でもない‥どんなに探しても雄大にしかみつけられない。
見失っちゃ‥手放しちゃいけないものがあるよ。
雄大が手放しちゃいけないものは‥私じゃない。
それは、きっとその時の雄大だよ‥。』
雄大『‥‥‥優美が言ってること
‥なんかわかる気がする。』