花屋の閉店は午後六時半。
店内の掃除をし、ゴミをビルの裏側にある回収場所まで運び終わると店の入り口にカギを掛けた。そのまま病院の正面玄関に向かい駅に向かうバスに乗り込んだ。
バスには勤務を終えた病院職員も数名乗っている。いるはずがないと分かっていながらも花名はつい、純正の姿を探してしまう。
(先生がバスになんて乗るわけないじゃない。きっと車通勤だわ)
運転手の後ろの席に腰を下ろし、読みかけの小説をバックから出す。
駅までの十分が花名の自由時間だ。夕焼け色の光が窓から差し込んで花名の頬に落ちる。眩しさに目を閉じると、そのまま眠ってしまいそうになる。
それくらい花名の体はつかれていた。
これから母の見舞に行き、今日出た汚れ物の洗濯をする。面会が終わるとビルの夜間清掃のバイトに向かわなければならない。
この仕事はもともと母のものだったが、入院している間だけという約束で花名が入らせてもらっている。
こうでもしないと母の抜けた穴は誰かほかの人に埋められてしまい、職場復帰が難しくなる。それだけは避けたかったし、追加で収入を得られるのは花名にとってとてもありがたかった。
店内の掃除をし、ゴミをビルの裏側にある回収場所まで運び終わると店の入り口にカギを掛けた。そのまま病院の正面玄関に向かい駅に向かうバスに乗り込んだ。
バスには勤務を終えた病院職員も数名乗っている。いるはずがないと分かっていながらも花名はつい、純正の姿を探してしまう。
(先生がバスになんて乗るわけないじゃない。きっと車通勤だわ)
運転手の後ろの席に腰を下ろし、読みかけの小説をバックから出す。
駅までの十分が花名の自由時間だ。夕焼け色の光が窓から差し込んで花名の頬に落ちる。眩しさに目を閉じると、そのまま眠ってしまいそうになる。
それくらい花名の体はつかれていた。
これから母の見舞に行き、今日出た汚れ物の洗濯をする。面会が終わるとビルの夜間清掃のバイトに向かわなければならない。
この仕事はもともと母のものだったが、入院している間だけという約束で花名が入らせてもらっている。
こうでもしないと母の抜けた穴は誰かほかの人に埋められてしまい、職場復帰が難しくなる。それだけは避けたかったし、追加で収入を得られるのは花名にとってとてもありがたかった。


