愛しい人

「そういってくださって、安心しました。私も助けてくださったのが先生でよかったと思います。感謝してもしきれません」

「俺も安心した。ちゃんと目を覚ましてくれて。このままだったらどうしようって思わないでもなかったからさ」

 純正の冗談に花名はぎこちなく笑って、命が助かって本当に良かったと改めて彼に感謝する。

「それであの、私の着ていたものは……」
 花名は遠慮がちに聞いた。今が何時かは分からないが、これ以上ここにいるわけにはいかない。着替えて帰らなければと思った。

「ああ、軽く洗って風呂場に干してある」

「お風呂場ですね!」

言いながら立ち上がろうとする花名に純正は言う。

「まだ乾かないさ。何か温かい飲み物でも淹れるから、もう少し休んでいけばいい」

「でも」

「いいから。……で、何飲む? あるのはコーヒーと紅茶くらいしかないけど」

「いいんですか?」

「もちろん」

「じゃあ、紅茶をください」

 純正が部屋を出て行くと、花名は自分の体を見下ろした。