愛しい人



「目が覚めたね。もう寒くない?」

 花名は顔を上げて、純正の方をみた。すると彼は心配そうにこちらをみつめていた。

その目は、安心したように細められていく。優しい目だった。

「はい。もう大丈夫です」

いいながらゆっくりと起き上がると、バスローブ姿であることに気付いた。困惑した表情を浮かべる花名に、純正は言った。

「濡れた服は脱がせた」

「……脱がせた。先生がですか?」

「そうだよ。同意は得た」

「じゃあ、みたんですか?」

「みたって、ああ、裸ね。みたけど、だからなに?」

「そんな……」

まだ誰にも見せたことがない自分の体。恥ずかしさで花名は泣きそうになった。

下着まで脱がせる必要があったのかと問いただしてみたくなる。けれど、純正を責めることは出来なかった。

ここまでさせてしまったのは自分のせいだし、彼にしてみれば見たくないものを見せられて、しなくないことまでさせられて迷惑しているだろう。