愛しい人

「戻ったぞ、っておい!」

 純正は慌てて浴槽に腕を突っ込むと、浴槽に沈んでいる花名の体を引き上げた。幸い息はある。

「しっかりしろ」

 さっきまでの震えは止まっているが、だいぶグッタリとしている。

純正は花名を抱き上げると、寝室のベッドの上に降ろす。

バスタオルで濡れた体を包むが服を着たままだ。このままではまた体が冷えてしまうだろう。

「しかたない。脱がせるぞ!」

 純正が投げかけた言葉の意味を理解しているのかいないのか、花名は「うん」と返事をする。