「こんばんは。お母さん、来たよ」
「あら、花ちゃんいらっしゃい」
いつもと変わらない母親の顔がそこにあって、花名は涙を止めることが出来なかった。
「花ちゃん、どうしたの?」
急に泣き出した花名を見て、母親はベッドから跳ね起きる。
「ごめんね、お母さん。この間のセカンドオピニオンの話なんだけど、あれね、駄目だったの」
「そうだったの、ありがとう、花ちゃん」
花名の母親は、しゃくりあげながらそう話す彼女の体をそっと抱き寄せて、やさしく頭をなでた。
「ごめんなさい、ごめんなさいお母さん」
「謝らなくていいのよ。私のためにしてくれたんだもの、結果はどうあれそれだけで嬉しいの」
「ほんとに?」
「ほんとに。花ちゃんは優しい子ね。私は恵まれているんだわ。だって今日もね、新しい先生がきてくださって別の治療を進めてくれたの」
「新しい先生?」
「そうなの。大津先生のお知合いとかで、とても素敵な紳士だったわ。それでね、新しい治療のことだけど花ちゃんにも治療の同意書にサインをしてもらわないといけないらしくって、お願い出来るかしら」
「当たり前でしょ!」
花名は母親が床頭台の引き出しから取り出した書類をみて瞬きを忘れた。
「あら、花ちゃんいらっしゃい」
いつもと変わらない母親の顔がそこにあって、花名は涙を止めることが出来なかった。
「花ちゃん、どうしたの?」
急に泣き出した花名を見て、母親はベッドから跳ね起きる。
「ごめんね、お母さん。この間のセカンドオピニオンの話なんだけど、あれね、駄目だったの」
「そうだったの、ありがとう、花ちゃん」
花名の母親は、しゃくりあげながらそう話す彼女の体をそっと抱き寄せて、やさしく頭をなでた。
「ごめんなさい、ごめんなさいお母さん」
「謝らなくていいのよ。私のためにしてくれたんだもの、結果はどうあれそれだけで嬉しいの」
「ほんとに?」
「ほんとに。花ちゃんは優しい子ね。私は恵まれているんだわ。だって今日もね、新しい先生がきてくださって別の治療を進めてくれたの」
「新しい先生?」
「そうなの。大津先生のお知合いとかで、とても素敵な紳士だったわ。それでね、新しい治療のことだけど花ちゃんにも治療の同意書にサインをしてもらわないといけないらしくって、お願い出来るかしら」
「当たり前でしょ!」
花名は母親が床頭台の引き出しから取り出した書類をみて瞬きを忘れた。


