「申し訳ないが、当院での治療は諦めたほうがよろしいのではないでしょうか?」
純正の言葉に、花名は小さく首を傾げる。
「……え? どうしてですか」
「お金、ないんでしょう? この外来にかかる費用を出すのも苦しいあなたに、莫大な治療費を用意できるとは思えません」
「それは、そうなんですが……どうにかします」
そうは言ってみたものの、花名に数百万もの大金を用意できるはずもなく、もちろん借りるあてもない。
それを見透かす様に強い口調で言った。
「どうにか、できるんですか? 私は、そんなふうに大切な人を救おうとして、人生を棒に振った人間を知っている。あなたにはそうなって欲しくない」
花名は唇をかんだ。
今までも、これからも自分の人生は借金にまみれたものになるのだろうと思ったら、泣き出しそうになる。
「だからって、諦めるなんて出来ません! 母の命を救おうとしたことでもし不幸になったとしても、私は後悔しない。ここで諦めたほうが何十倍も後悔すると思います!」
「きれいごとにしか聞こえないな。すべては金を用意できてからの話だ」
そんな言葉が純正の口から出るとは思わなかった。絶望にも似た怒りが込み上げてくる。
純正の言葉に、花名は小さく首を傾げる。
「……え? どうしてですか」
「お金、ないんでしょう? この外来にかかる費用を出すのも苦しいあなたに、莫大な治療費を用意できるとは思えません」
「それは、そうなんですが……どうにかします」
そうは言ってみたものの、花名に数百万もの大金を用意できるはずもなく、もちろん借りるあてもない。
それを見透かす様に強い口調で言った。
「どうにか、できるんですか? 私は、そんなふうに大切な人を救おうとして、人生を棒に振った人間を知っている。あなたにはそうなって欲しくない」
花名は唇をかんだ。
今までも、これからも自分の人生は借金にまみれたものになるのだろうと思ったら、泣き出しそうになる。
「だからって、諦めるなんて出来ません! 母の命を救おうとしたことでもし不幸になったとしても、私は後悔しない。ここで諦めたほうが何十倍も後悔すると思います!」
「きれいごとにしか聞こえないな。すべては金を用意できてからの話だ」
そんな言葉が純正の口から出るとは思わなかった。絶望にも似た怒りが込み上げてくる。


