「……はい。私もです。私も純正さんと一緒にいたい」
到着すると純正と部屋に入り服や化粧品などを大きなカバンに詰める。
思うほど荷物も少なくあっという間に荷造りは終わってしまった。
「いつ引っ越す? もしよければお母さんも一緒に住む? その方が安心だろう」
「ありがとうございます。管理会社に確認してみますね。母のことは本人に聞いてみないと……」
賃貸物件は解約を申し出る期日が決められているはずだ。
それに雅恵の意志を確認しないまま返事はできない。
「そうだよな、なに焦ってるんだろう。余裕なくてみっともないな、俺」
照れ笑いする純正を愛おしいと思った。
そしてこんなにも自分と母親のことを気にかけてくれることに感謝が溢れる。


