「早かったんですね」
まだ十八時前だ。普段の純正の帰宅はもっと遅い。
「たまたま早く終わったんだよ」
純正はそう言ったが、自分を待たせないために急いで仕事を切り上げてきたのだろうと花名は思った。
純正の車に乗り、アパートへ向かう。
「送ってくれてありがとうございます」
花名が礼をいうと純正はピクリと反応する。
「……送る? 今日も俺の部屋に泊るんじゃないのか?……いや今日だけじゃなく、これからは一緒に暮らそう。花名と離れたくないんだ」
『一緒に住もう』と以前も言ってくれた。
あの時は断ってしまったけれど、今は花名も同じ気持ちだ。
朝も昼も、夜も……側にいたい。


