「おう、純正。小石川さんもこんにちは」
「こんにちは」
(私に純正の悪口を言っていたのに何もなかったような顔するのね……)
やはり晴紀は苦手だと花名は思う。
「誰?」
茉莉花は花名を見て言った。
「紹介するよ。俺が今お付き合いさせてもらっている小石川花名さん。彼女が茉莉花の病室に飾っていた花束を作ってくれていたんだよ」
みんなの前で堂々と紹介され、花名はどこか照れくさいような誇らしいような気持になる。
「はじめまして。小石川花名です」
「はじめまして、瀬能です……」
茉莉花はそれだけいういとすぐ、歩行訓練の続きを始めた。
「なあ、純正ちょっといい? 明日のオペの事なんだけど……ここじゃ何だから外で」
「いいけど。ごめん、花名少し待ってて」
純正は「すぐに戻る」と言い残し二人でリハビリ訓練室を出てってしまった。
取り残され、立ち尽くす花名に茉莉花が声をかけた。


