「先生、本当にありがとうございました。先生のおかげで母の命は救われました」
花名は深々と頭を下げた。純正には感謝してもしきれない。
「花名、頭をあげて?」
急に名前を呼ばれた花名は弾かれたように顔をあげた。
「純正さん?」
「二つ目ですが、ご報告が遅れて大変申し訳ございません。私は花名さんとお付き合いさせていただいております。彼女の同意が得られればこれから一緒に暮らしたいと思っていますし、もちろん結婚も視野に入れています。交際をお許しいただけますか?」
雅恵に向かって純正は頭を下げた。
突然のことに固まっていた花名も純正と同じように頭下げる。


