「ありがとう。それよりお母さん、体調はどう? 治療はもうすぐ終わるんでしょう」 「薬の副作用は少し辛いけど、元気よ。かなり効果が出ているんですって奇跡よね」 そう話す雅恵の表情は明るく穏やかだった。 「本当によかったね、お母さん」 以前よりも肌艶もよく、なにより目に輝きがある。 あの時、純正がこの治療を受けるよう取り計らってくれなければこんな風に雅恵と笑い合えていなかったかもしれない。 それから花名は久しぶりに雅恵と過ごした。