「花名……」
純正の声が震えていて泣いているのだと思った。
「……純正さん。迷惑かけてごめんなさい。全部私が悪いんです」
これほどまでに自分のことを思ってくれている純正を疑い、ほかの男性に救いを求めてしまった。
「あやまらなくていい。悪いのは俺だよ。疑わせるような行動をとっていたのは事実だし、あの日、君を置いて病院へ向かったりしなければこんなことにはならなかった。本当に後悔しているんだ」
純正の懺悔に、花名は否定するように首を横に振った。
「ちがう、ちがう。純正さんは悪くないです。私が……」
「分かった。お互いに悪かったということにしよう。だからもう、自分を責めるな。俺は花名が無事でここにいてくれるだけでいいんだから」
諭すような口調で言われ、花名はゆっくりと頷く。
「はい、わかりました」
「なあ、花名。明日、連れてきたいところがあるんだ」
「どこへ?」
「まあ、明日話すよ」
それから夕食を食べて、一緒にベッドに入った。


