愛しい人

 風呂から上がるとタオルと着替えが用意されていた。

純正に女性ものの下着まで買わせてしまったのかと思うと感謝よりも申し訳ない気持ちの方が勝る。

「お風呂、ありがとうございました。部屋着も、すごくかわいい」

「似合ってるよ。子供っぽいのかなとは思ったけど、それ流行ってるんだろ?」

  若い女性に人気のある甘いデザインが人気のルームウェアブランドだ。花名も密かに憧れてはいたが簡単に手が出せる値段ではない。

「はい。着てみたかったので嬉しいです。もこもこしてて着心地もとてもいいですよ」

「そうか。じゃあ、抱き心地もよさそうだな」

 そういって、純正は両腕を広げた。

花名はゆっくりと歩み寄り、胸元に顔をうずめ背中に手を回した。

純正の腕が花名を抱き寄せる。ふわりと花名の匂いがして愛おしさが溢れた。