「花名、早くこっちへ来い!」
その瞬間、花名は樹から離れドアロックを解除する。
純正はドアを開け着ていたジャケットを肩から掛けると彼女を抱き上げた。
「行こう」
こんな所、一秒たりとも居たくない。
純正が背を向けると、茫然自失状態だった桂がハッとしたように口を開く。
「あ、の。結城さん、小石川さんも……大変申し訳ございませんでした。どうお詫びしていいのか見当もつきません」
「後はお任せします。とにかく彼女を安全なところへ連れていきたいので……失礼します」
桂をその場に残し、純正は花名と車へと戻った。


