「……でも、純正さんには大切な人がいるんでしょう?」
「そう吹聴されたのか、こいつに……。なにを聴いたか知らないが、俺の大切な人は花名だけだ。信じろ!」
純正は掴んでいた手を離すと、花名に差し出した。
そして彼女の目を真っ直ぐに見つめる。
言葉を尽くすよりも伝わるだろうと思った。純正の目には花名以外は映らないのだと。
すると花名は裸足のまま玄関に下りてきて純正の手を掴んだ。
久しぶりに触れた花名の手は冷え切っていて、すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られる。
この胸に抱いて優しく温めてキスをしたら、もう二度と離さないと花名へ誓おう。


