7.愛 Rose
「もう一週間か……」
純正のつぶやきを小石川雅恵は聞き逃さなかった。
「先生、どうしたんですか? なにか悩みごとでも?」
ここ数日何をするにも気持ちが向かず、ぼんやりとしていることは自分でも自覚していた。
だからと言って患者に気付かれるとはプロ意識に欠けた行動だと反省する。
(なにをやってるんだ、俺は……)
純正は小さく唇を噛んだ。
「あ、ああ。すみません、ご心配なく……なんでもありませんから」
そうですか、と雅恵はホッと息を吐く。
「それならいいんですけどね。結城先生、最近元気がなさそうなので密かに心配していたんですよ」
回診に来るたび元気をなくしていくように見えて気になっていたのだ。
「ありがとうございます。本当に何でもないんですよ。患者さんを心配させるなんて医者失格ですよね。ところで、小石川さん、最近娘さんはお見舞いにいらしてます?」
「娘ですか? いえ、仕事が忙しいのか連絡もよこさないんですよ、まったくもう」
雅恵はやれやれと言わんばかりに肩をすくめた。
「もう一週間か……」
純正のつぶやきを小石川雅恵は聞き逃さなかった。
「先生、どうしたんですか? なにか悩みごとでも?」
ここ数日何をするにも気持ちが向かず、ぼんやりとしていることは自分でも自覚していた。
だからと言って患者に気付かれるとはプロ意識に欠けた行動だと反省する。
(なにをやってるんだ、俺は……)
純正は小さく唇を噛んだ。
「あ、ああ。すみません、ご心配なく……なんでもありませんから」
そうですか、と雅恵はホッと息を吐く。
「それならいいんですけどね。結城先生、最近元気がなさそうなので密かに心配していたんですよ」
回診に来るたび元気をなくしていくように見えて気になっていたのだ。
「ありがとうございます。本当に何でもないんですよ。患者さんを心配させるなんて医者失格ですよね。ところで、小石川さん、最近娘さんはお見舞いにいらしてます?」
「娘ですか? いえ、仕事が忙しいのか連絡もよこさないんですよ、まったくもう」
雅恵はやれやれと言わんばかりに肩をすくめた。


