「……仕方ないですよね。いいんです、明日でも……」
「ありがとう。理解してくれて。でも、そのままでいるのはさすがに可哀そうだから僕の服、貸そうか」
「いいんですか? お借りしたいです。それと、シャワーも使わせてもらいたいんですけど……」
昨晩は風呂に入れなかった。化粧も落とせていない。もうほとんど取れてしまっているが、だからこそ余計に気持ちが悪かった。
Tシャツとハーフパンツ、タオルを出してもらい花名は風呂場へ向かう。
下着を脱いで熱いシャワーを浴びた。シャンプーはとてもいい香りがする。みると有名なオーガニックコスメブランドのものだ。
「樹さんらしい」
純正はあまりこういうものにこだわりはない。すべてにおいてシンプルだ。
でも樹は仕事柄か暮らしぶりもとてもおしゃれで洗練されている。
植物がたくさん置いてあるリビングも花名が理想としている生活そのものだ。参考にしたい部分がたくさんある。


