「いた……い」
「ああ、悪い。強く握りすぎたな。でも、よかった。目が醒めて……よかったな」
いいながら泣いてしまいそうだった。
もしかしたら茉莉花は一生このままかもしれないと心のどこかで思っていたから。
「……とりあえず一晩様子を見よう。俺がここにいるから、みんなは下がってくれていいよ」
「分かりました先生。必要があれば呼んでください」
集まっていたスタッフたちは、それぞれの仕事に戻っていく。
「ありがとう、みんな」
病室に誰もいなくなると、純正は椅子をベッドの脇まで持ってきて座った。
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