愛しい人

「すごくおいしい」

 思わずつぶやくと、純正は満足げな笑みを浮かべる。

「それならよかった」

「どうしたらこんなにおいしく作れるんですか?」

 コツがあるのなら教えて欲しい。そうしたら今晩の夕食から実践できるだろう。

しかし、純正は「秘密」 そう言って純正は笑った。

「教えてくれないんですか?」

「だってそんなに特別なことはしてないからね。隠し味は愛情? だから花名の料理もおいしいよ」

「……うそ」

「うそじゃないよ。今夜も作りに来てくれるんだろ?」

「もちろんです」

「楽しみにしてる」