雨那は、守谷神社の分社を訪れていた。霊夢から、洩矢諏訪子という御謝宮治の化身がいることを聞き、訪ねようと思ったのだ。雨那は、分社の戸を開き、声をかける。
「諏訪子様-?いらっしゃいますかー?」
「ん……誰?」
 奥で、カエルと遊ぶ少女を見かけた。もしかして、この子が洩矢諏訪子様?
「あの……諏訪子様……ですか?」
「そうだけど……。よくここがわかったね。守谷一家しか知らない秘密の分社なのに」
「早苗さんから教えて頂きました。ここに、諏訪子様がよく来るって」
「そっか、まぁ立ち話もなんだし、上がってよ」
 雨那は一度礼をして、諏訪子の隣に座った。
「そういえば、聞いてなかったね!あなたの名前は?」
「蒼劉寺雨那です。雨を司る神です」
「雨……?」
「あの、今日は、あなたの過去を聞きに来ました。諏訪子様って御謝宮治の化身なんですよね?」
「あ……うん。そうだけど……」
「大昔に、私と出会ったことありませんか?一緒の神社に住んでいたと思うのですが」
「!!もしかして……ミツハノメノカミ!?」
「はい、彼は逝きましたが、彼の能力、伝統を受け継ぎました」
「そっか……あの時は、酷いことしちゃったから、かなり怒ってたんじゃないかな……」
「いえ、そんなことは……。ただ、自分の存在が、御謝宮治を不幸に陥れたんじゃないかって、とっても落ち込んでいました」
「そっか……。はは……。また、再会できるなんて、誰かさんの奇跡かな?」
「あはは……。そうだと思います」
「……それで、話すことはそれだけじゃないよね?」
「……はい。諏訪子様、私とまた、友達になって下さい!」
「……うん!いいよ!また、2人で楽しく飲もうよ!」
「はい!」

                 -完-