影雨異変に終止符を打たれて早一週間。水神社は取り壊し、雨那は一時的に博麗神社で看病を受けることになり、今空き室でぐっすり寝ている。居間には霊夢と早苗が話し合いをしていた。
「だから、私の所は無理よ。金も無いし、萃香だけで手一杯よ」
「私の所だって、私含めて3人ですよ?部屋も空きがないし、さすがに無理ですよ」
「いや、それなら分社があるじゃない。あそこにしなさいよ」
「そこは私も考えましたが、諏訪子様に却下されました。何でも、私の隠れ家だから誰にもあげないとか言って……」
「あんの、クソガエル……とっちめてやろうか……」
「どうどう……。でも、これじゃ本当に身寄りがないですよ」
「チッ……これだからここの連中は……」
「霊夢さん……聞こえてますよ……」
「にしても、ラチが空かないわ……。あ、そうだ。その手があった!」
「どの手です?」
「分社よ」
「え、でも、諏訪子様は……」
「違うわ。紫に頼んで分社を造らせてそこに雨那が住んでもらう!どうよ?」
「それはいいですけど……大丈夫ですか?」
「何がよ」
「いえ、雨那さん…過去はずっと独りだったじゃないですか……。分社に住まわしたら、ずっと独りじゃないですか」
「何のための分社だと思ってるわけ?」
「……え?」
「人恋しくなったら私がいるし、里の人達もいる。今じゃ悪さする妖怪も殆どいないわ。その点から考えれば、ここは全然いい環境よ。それに、雨の神はかなり信仰が得られてガッポリ儲けるでしょ!」
「そっち素ですよね?完全に」
「いいのよ。でも、やはり本人に聞かないとね」