霊夢は、彷徨っていた。死んだら三途の川を通るはずなのに、川も無ければ小町もいない。辺りを見回しても何も無い。今自分はどこにいる?彷徨っている内に、自分自身が何者なのかわからなくなっていった。すると、周りの風景が変わった。
「これは……寺子屋…?いや、外界でいう学校というやつ?」
 とある学校の教室に移動した霊夢の目の前にあったのは、小学生時代の雨那だった。
「これって…あいつの過去かしら」
「いい加減にしてよ!」
「!?」
 雨那が、男子に囲まれて虐められていた。しかも、普通のイジメではなく、限度の越えたイジメだ。雨那は羽交い締めにされ、スカートを脱がされている。しかし、この異様な光景に、周りは見てないフリをしている。女子も、遠くにいる男子も。霊夢は助けに行こうとしたが、身体が透けてて男子の腕を掴むことができず、ただ見ていることしか出来なかった。授業のチャイムが鳴り、イジメは一度中止された、かに見えたが、スカートが穿けていない。下着が露わになったままだ。しかも、それについて先生は何も言わず、そのまま授業をしている。
「何よ……これ……」
 雨那は、涙目ながらも授業を続け、休み時間になるとまたイジメが再開される。この繰り返しが一日ずっと、毎日だ。親に頼るも、親は酒で暴れて暴力を振るう最低な親だった。
「酷い………こんな……」
 中学生になった雨那は、親に捨てられて、孤児院で過ごしていた。中学校では、男子からのイジメはもちろん、女子からのイジメまで増えて、雨那はずっと独りぼっちだった。
 中学3年の夏、恐れていたことが起きた。いつものようにイジメられていた雨那が男子に連れられて体育倉庫の中へと入っていった。そこには、クラスの男子全員が不敵な笑みで雨那を囲み、犯し回した。嫌がる雨那に、吐き出される白濁で、泥のように汚されていく。霊夢はもう見ていられなかった。
「こんな……酷いことが、平然と出来るなんて……」
 霊夢は、逃げだした。見ていられない。見たくもない。こんな不幸は酷すぎる。だが、霊夢に見せる過去はまだ終わらない。