どれぐらい月日が流れただろうか?最初は色々な出来事で頭が混乱して大変だったけど、その後はすぐだった。青蛾に色々助けてもらって、聖から能力の抑止力と、スペカ作成、身体能力の鍛錬等色々なことを教えて貰った。それからは、青蛾の計画に乗って、雨を降らし続けてやっとゆっくりできると思った矢先…。下界からの訪問者が、しかも2人も来た。青蛾は、この計画は人の役に立つとか言っていたけど……。でも、この2人からは感謝の思念は一切来ない。来るのは憎悪と敵意の塊。これはもう、私も終わったのではないかと泣きたくなる。しかし、彼女らもよくここまで来られたものだ。ここは、雲の上。もしかすると、青蛾が前に言っていた能力者なのだろう。だとすると、もっとヤバイのでは?青蛾は間違いなく抵抗する。そしたら、私も戦闘に駆り出される。そして非力な私は何も出来ずに、この2人からとんでもない拷問を受けて絶命する……。うぅ……騙したんだね青蛾……。自分は信じてたのに……。今からでもここを飛び出して逃げ出したい。でも、入口に魔法使いみたいな少女が待ち伏せしていたから、ここから逃げるのは出来なさそうだ。もう闘うしかないのだろうか……。うぅ……。
「あの……百面相してるとこ悪いけど……大丈夫?」
「ひゃうっ!?」
 胸の大きな巫女がいつの間にか目の前に来ていた?私が考え過ぎて周りに目がいってなかったのも悪いけど、先手を取られてしまうとは不覚を取ってしまった。……仕方ない。こうなってしまったのは、騙された私も悪い…。勝算が無いわけではないし、何より私の力をこの2人に見せつけて注意を惹きつけることも出来るんだ。やってやる。あの伝説の博麗の巫女を倒して、私が伝説になるんだ!
「あの……大丈夫?」
「貴方が……博麗霊夢さん…ですね」
 霊夢は、雨那の問いに振り返った。
「えぇ、そうよ」
「ふふ……この異変の解決に駆けつけたようですが残念でした。私の領域にノコノコと上がり込んだ時点で、あなたの負けは決定しています。今すぐ帰るか降伏することを提案します」
 決まった…!これで帰ってくれたら、また私はゆっくりできるわ!
「……あ?」
「えっ」
「あちゃあ……」
 青蛾が手を額に当てて落胆している。もしかして、地雷踏んじゃった?
「挑発してんのか知らないけど、私はどんな状況にあろうと帰る気も降伏する気もないわ。ましてや、誰にも負ける気はないわ!特に、あなたみたいな低脳バカに負けるなんて一切思っていないわよ」
「…………。それはやって見ないと分からない事よ!」