--- 水神社 ---
「やっと着いたか……」
 水神社…。雲海の上に突如出現した、空に浮かぶ寺社。ここに、首謀者がいる。その首謀者さえ退治すれば、今回の異変は解決する。早く探し出してしばき倒してやろう。
「…………。隠れてないで出てきなさい。いるのはわかっているわ」
「あらあら、分かりましたか」
「邪仙……?なぜ、こんな所に」
「ふふふ、分かってるくせに」
「…………」
 邪仙、隺青蛾。神霊廊の聖徳太子と共に過ごす悪の権化がなぜここにいるのだろうか。霊夢は疑問ばかりが浮かび上がっていた。
「まぁ、いいですわ。しかし、よく来て頂きましたわ。禍霊夢さん?」
「…………は?」
 青蛾はニコリと笑い、霊夢の方へ近付いた。
「一部一部露わになっているのに気付いてないなんて、感が鈍ったのでは無くて?」
 青蛾は、右手で霊夢の顎をくいっと上げちらつかせた。
「もう博麗の巫女としての自我はないわ。これからは破滅と堕落を象徴とした真の姿で人生を描くのよ?」
 青蛾は、霊夢の唇に舌を入れてキスをした。霊夢は抵抗できず、されるがままに嬲られた。
 数秒間キスをされて青蛾は符を取り出し霊夢の胸に当て、詠唱した。霊夢は何も出来ず、ボーッとしていた。詠唱が終わると、霊夢の身体はすぐに変化した。巫女服は白黒になり、顔は目を中心とし、縦に赤いラインが入った。そこまでの変化はないが、もう元の霊夢はいなくなってしまった。青蛾によっては、黒の邪巫女と変貌を遂げた禍霊夢はこれから追って来るであろう魔理沙と早苗の迎撃に向かった。