蛇は、一切動かず、魔理沙と早苗をじっと見つめている。攻撃の意思は全くなく、まるで2人の力量を測るかのように無防備に立ち尽くしていた。
「魔理沙さん!」
「おうよ!恋符…『マスタースパーク』!!」
「開海!『モーゼの奇跡』!!」
 魔理沙のマスタースパークに乗せて、大きな波が蛇を巻き込んだ。しかし、蛇には傷一つつくことなく立ち尽くしている。
「化けモンかよ!なら、これならどうよ!星符!『メテオニックシャワー』!!」
 空から少し大きな岩が数十弾と降り注ぐ。それに、続くように早苗もスペカを繰り出した。
「奇跡!『神の風』!!」
 蛇の周りを物凄い暴風の嵐を起こした。しかし、蛇は微動だにしない。
「なんなんだこいつ……」
「傷一つつかないなんて……」
 蛇は、ため息をついた。そして、口を開きスペカを吐き出した。
「蛙狩『蛙は口ゆえ蛇に呑まるる』」
 魔理沙と早苗の胴体に蛇の舌が巻き付き、引き寄せた。そして、早苗はそのまま蛇に飲み込まれ、魔理沙だけが残された。
「早苗!!くっ……。お前の狙いは何なんだ!答えろよ!」
「…………(キッ」
 一瞬、蛇の目が光った。それを見てしまった魔理沙は石化し、動けなくなった。蛇は魔理沙を本殿に隠し、元の影に戻ろうとしたその時、後ろから足音が聞こえる。蛇はゆっくり後ろを振り向くと、霊夢が真っ直ぐな眼差しでこちらに近付いてくるのが見えた。霊夢はある程度近付いた所で、祓い棒と符を手にし、戦闘態勢をとった。