「来ないならこっちからいくよ!アイシクルブレード!」
 氷の剣先が回転しながら弾幕の如く、無数に射出された。霊夢は、素早く避け、また後ろに回り込むよう工作した。先程と同じように符で分け身を作り、先に後ろへ回り込もうとしたその瞬間、行く先の方から別の弾幕が向かってきた。霊夢は、ぎりぎりの所で避け、迂回しつつ後ろへ回り込んだ。すると、チルノの背中に黒い氷の氷像が見えた。元凶が姿を現し、チルノとほぼ同じような弾幕を張る。
「……影…か」
 人の深い闇を具現化した代物。あの氷像からは、闇の強い憎悪が込められているのがわかった。だが、それはチルノの深層心理ではなく、全く別の者の記憶を基に作られているらしい。そして、それを媒体として、チルノと同等の姿をコピーした姿があの影の氷像だ。
「影なら…遠慮なく行かせて貰うわ……。元々あんたに遠慮なんてないのだけどね?」
 霊夢は、陰陽玉を召喚し、四方八方に弾幕を展開し、チルノとその影を取り囲んだ。
「な……なんだこれ!?」
「さようなら、霊符…『夢想封印』!」
 弾幕は、チルノを包み込むように射出され、チルノは直撃した。そのまま、森の中へと落ちて行き、姿を消した。影は、姿を消し、黒いもやとなって消えた。大技を決めて疲弊した霊夢は、しばらく立ち尽くしていた。そんな霊夢の後ろから爆発が起こり、直撃した。大したダメージではなかったが、態勢を崩され、森の中へと落ちかけるところであった。また、更に下から爆撃が飛んでくる。どうやら、もう一方の妖精…大妖精による攻撃のようだ。だが、大妖精は本来おとなしく、弾幕による攻撃もしない。所謂、モブなやつだが、もしかすると、さっきのもやが大妖精に乗り移ったのだろう。霊夢は、すぐ対策を施し、迎撃した。