君だけを







パシッ。





佐々木部長の前を通り過ぎようとした途端、腕を掴まれた。





「...何ですか?」





掴まれた腕を見ながら、問う。





「送る。」






たった一言で返された。






「いいです。」






「送る。」






「1人で帰れるので。」






「送る。」






何を言っても





「送る」





これしか言わない。





「だから、いいです。

子供じゃないので、1人で帰れます。」





「危ない。

夜遅くに、女1人で帰るなんて、襲ってくださいと言ってるようなもんだ。」





私なんか、襲われない。






それより、部長に送ってもらう筋合いがない。