君だけを






「橘ー! おはよう!」





急に大きな声がオフィスに響き、びっくりする。






声がしたほうを振り向くと、同僚の彼方 時雨(しぐれ)くんがいた。





彼方くんは、高校からの同級生で高校に続き大学、仕事とずっと同じだった。






今は、唯一の同僚だ。




「おはようございます。」





「何で、敬語なんか使うんだよ~。

同僚なんだし、高校からの知り合いなんだからタメでいいってば。」






...チャラい。







仕事中なんだから、話しかけないでほしい。






もちろん、仕事のことで話があるなら別だけど。






「彼方くん、今は仕事中です。

そういうことは、勤務中の時間外でお願いします。」






にこりともせず、淡々と話す。






「ちぇっ。 橘は前から、頑固だよなぁ。」






ポツリと呟くと、デスクに座った。






といっても、隣だが...。






それから、出勤してきた上司たちに挨拶をしつつ





11時前までに資料を仕上げた。