あわわわ、門番の方も黒髪と黒い瞳で魔王だと判断するんだ…。


困ったな、ここではこの目と髪は目立ちすぎる。


ウィッグとかカラコンとか、入ってなかったかなとバッグをちらりと見てみるが、


そんなものが入っているはずがない。



「そ、その…はじめまして」


「お初にお目にかかります、陛下!!」



ガバッと頭を下げられて、やはり魔王というのは恐れられるものなんだ、と感じる。


もっとフレンドリーにしてくれたらいいのに、と思うけど。


それは難しいのだろうか。



「ではここを開けてくれ」


「もちろんでございます、ランスロット閣下」



今度は恭しく頭を下げると、門の向こうへ向かって叫んだ。



「開門!開門!!」