「ららら、ランスさん」
「終戦協定締結前の国の王子と仲良くするのは、私は反対です……、
それに、掘り出した肖像画を持ち出したのは陛下だったのですね」
「う、うう」
「おい……無断持ち出しかよ……」
レンの呆れた声と、ランスさんの怖い声に身を竦める。
しばらくして、ランスさんはため息とともに、「帰国いたしますよ」と言った。
「早く帰国し、魔王就任を国民に知らせなくては」
「は、はい……わかりました……」
「ああそれと」
絶対零度の視線をレンに浴びせるランスさん。
「私に許可なく、陛下に何かしないように」
「してないよ……過保護すぎかよお前、嫌われるぞ」
「貴方に言われる筋合いはありませんね」