…………魔王。


……………魔王?



いわく、



…お父さんお父さん怖いよ【ナンチャラ】がやってくるよ。


…この大【ナンチャラ】に逆らおうとは、身の程を弁えぬ者達じゃな。


…【ナンチャラ】王におれはなる!!



…ってこれは違うか。



「私は、貴女の宰相兼王佐である、“智の王”ランスロットと申します。


以後お見知りおきを、第十三代目魔王陛下」



茶髪美形放火魔は私の動揺に気づかないまま、胸に手を当て、淡々と喋り続ける。



「超高位の魔力保持者である証の闇色の髪、闇色の瞳。


それから、魔王の証である黒い炎。


そのすべてが、貴女様が魔王だということを物語っています」


「へぇー、そりゃすごいね」



うんうん、と私は頷く。


いやぁ全く、本当にすごいよ。闇色の髪に瞳、黒い炎だって。そんな人いるんだね。



「…で?私はなんの陛下だって?」