私が顔を明るくすると、レンも笑顔で頷く。


そして、二人で目の前の壁に変化が起こるのを待った。



……待った。



「……なんでなんにも起こんないのよー!!!」



私は思いっきり目の前の行き止まりの壁をドンドンとこぶしで叩く。


コノヤロー、期待させやがってちくしょー!


と、心の中で汚い罵倒を吐き続ける。



「待て愛美、暴れるにはまだ早い」


「え?」


「何か聞こえないか?」



目を閉じて、耳を澄ませる。


すると微かにどこかから、ゴゴゴゴ…という、何か重いものが動いているような、


迫ってくるような音が聞こえてきた。



おお……!これは!



「もしかしたら、この扉にも何か仕掛けがあって、今動こうとしてるんじゃないか?」