「魔力の名残?」


「そう。魔力は、その力の持ち主のこの世への執着心が強ければ強いほど、


呪いや悪霊、精神体としてこの世に留まりやすいんだ。


たまに、強い魔物……さっきの疾竜なんかが死ぬと、


その魔力が植物に憑依したりして、取り返しのつかないモンスターになったりする」


「こわッ。何それ……」



火を噴く巨大植物を想像して、私は身震いする。


そんなのとは絶対に戦いたくないぞ。


え、ここ、植物とか生えてないよね……?


恐る恐る辺りを見回してみるが、壁は岩石だし、生えているのもコケだけだ。


安心して、それから私は、少しむくれてみせる。


うう、余計なこと言って。怖くなるからやめてよね。