「『我 この文字で 聖剣のすべてを記し


これを 真なる勇者に捧げる


愛す者を心に 勇気を胸に 剣を抜くがよい


さもなくば 聖剣は本来の力を失い 更なる戦いを生むだろう


争いを好む者は 真の勇者ではない』」



レンが一言一言をかみしめるように、石板に刻まれた文字を読んだ。


私は驚きと感激で、思わず顔を押さえる。



『悪魔文字で書かれた、聖剣の扱い方』。


『神聖文字で書かれた、魔剣の扱い方』。



本当の歴史のひとかけらが、今、私たちの手に集まった。


私たちは、停戦の…いや、終戦への『理由』を手に入れた!



「レン!これで、もしかして……!」


「いや、まだだ。この石板が本当に聖剣の扱い方を示したものなのか、証明できてない」


「それなら、あの神聖文字の石碑だって、証明できてないじゃない。


それよりも注目すべきは、ここだよ」



そう言って、私は石板の初めの方を指さす。


『この文字で聖剣のすべてを記す』というところ。


そして、『真なる勇者に捧げる』というところだ。