『…そうでしたか。それは災難でしたね、陛下』


「災難でしたねじゃないよ!!本当に酷い目に遭ったんだからね!もうちょっと労わって!!」


『そもそも、古代の幻獣である私に最新の情報など求めるのが無理な話なのです』



くそぅ不死鳥め!


私を子供だからってなめきってるな。


確かに、私は魔王にすらなっていないし、魔術もろくに使えないし、本来ならば部下である看守達に手こずるほど雑魚いし……。



…………うん。そりゃなめられるわな。



「…話し中ちょっといいか?


愛美、例の石碑についてなんだけど。あの石碑の記録はしてあったっけ?」


「大丈夫、一応写真を撮っといたよ。スマホを持っててよかった」


「ならよかった」



レンがホッとしたように呟く。


そしてゆっくりと顔を上げると、驚いたように息を呑んだ。


なんだなんだ。顔を動かすのも少し怖いけど、気になったのでレンと同じように、顔を上げる。


そして私も息を呑んだ。



「わあ……!綺麗……っ」


「夕暮れだな。空が茜色だ」