後ろからごぅごぅと吹雪が吹き付けてくる。氷狼たちの仕業だ。


焦げ茶色のフーデッドケープは恐らく、霜が降りたように白銀になっているだろう。



「レン!なんか元気の出る歌歌って!」


「ララララララー、ラララララーン」


「それフ■ミマのテーマだからぁぁぁ!コンビニ思い出したらお腹空いてくるでしょー!?」


「的確なツッコミができるなら余裕のある証拠だ!


っと、来るぞ!早く伏せッ、」



今にも飛びかかってきそうな氷狼たちを見て、レンは最後まで言わずに私と共に地面に伏せる。


痛みを覚悟して、私はぎゅっと目を閉じた。


___閉じた。



……あれ?



恐る恐る目を開けて、大分暗闇に慣れてきた目を後ろに向ける。


するとそこには、地面にお腹をつけて、『伏せ』の体勢の氷狼たち。



…えっと。



「…魔王が命令したからじゃないのか?」


「いや、伏せって命令したのレンだから」



しばらくの沈黙があった。


そしてレンが非情にも、冷淡な声で告げる。



「壁に頭突きして、気絶してろ」



次の瞬間には、ドゴドゴドゴ、ビキビキッ!という肉弾音(?)。


…あとは皆様の想像にお任せします。