「彼? もしかして始祖様?」


『ええ。ですから不遜な先代より、まだ覚悟や力も足りない貴女の方が、よっぽど魔王として好ましい。


始祖の意志を継ぐならば、やはり争いはよくないものです』


「そ、そうなんだ…」



やっぱり、あの人は争い事は嫌いな人だったんだ。


優しそうな日本人みたいな初代魔王陛下。



そう考えると、やはり魔族と人間を二分して、不仲にした理由が気になる。


いったいどうして、初代魔王陛下はそんなことを考えたのだろう。



……うーん、でもまぁ、今考えても仕方ないか。