入ってきたのは、叔父にあたる
堂上 勇(どうじょう いさむ)だった。

「大丈夫かいっ!?」

今にも飛びつきそうな叔父さんを引っつかんだのは、俺の診察をしていてくれていた、お医者さんだった。
「おいっ。怪我人を重症にする気か!
落ち着け蓮くんは大丈夫だ。一週間ほど入院になるがな…。問題は、あの女の子の方だ。」


え?


今、なんて言った?あの女の子?は、多分悠の事だ。問題?
俺が、混乱しているのを見るなり、叔父さんは
すごく、真剣な顔になった。
「悠ちゃんがね。目覚めないかも
しれないんだ……。説明は、後でするからね、
今は体をゆっくり休め…」
俺は、聞いてられなくて、叔父さんの言葉を遮った。
「ゆ、ゆうに、会わせて、く、ださい。」
正直あってどうするんだという自分の意識と、会いたいという俺の俺の意識が、ぶつかってたが、でも、会いたいと思う…。
”なんて正直な気持ちというものは残酷なんだ。”
とも思う。
「う〜ん。残念だけど、今日は無理だな…。君も動ける状態じゃないし、明日からなら動いてもいいから、明日、覚悟ができてから悠さんのところへ行くんだ。」