時は少し夏が顔を見せ始めた頃。
桜の花びらと青々とした葉が半々になり風に
なびいている。
「あーあ。彼氏欲しいなぁ。」
放課後の教室で椅子を逆向きにまたいで座り、机にあごを乗せながら真結美が言った。
「それ、中学時代から耳にタコができるぐらい聞いてんだけど。」
趣味でやってる小説の書く手を止めることなく幼馴染みに文句をぶつけた。
「だって、自分の歳=彼氏いない歴なんて
虚しすぎるでしょ!?」
「別にそうは思わないけど。」
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