伝わる体温





「えっ…、なんで?」



すると
彼はニコっと笑って



「俺が食べさしたる!!」と
私が持っていたレンゲを奪った。



「いや、私自分で食べれるんだけど…。」



「そんなん言わんと、ええからはよっ。…はいっ、あーーんっ。」



「いやいや、このままじゃ熱くて食べられないしっ…。」



「あっ!そやった!猫舌やもんなー?……フー…フー…フー…よし、これなら大丈夫やろ。はい!あーーんっ。」



…渋々パクっと一口。



口に入れると
不思議なことに
私がいつも作るたまご粥の味と
全く同じ味がした。



ん?



しかも、今
私が猫舌なこと知ってたよね?!



いやいやっ!!


本当に
あなたは何者なのーーーっ?!