伝わる体温




「ほんま、いつも無理し過ぎやで?仕事に一生懸命になんのはええけど、もっと自分を大事にしーや。プライド高いくせに、ほんまは誰よりも繊細で傷つきやすいねんな。ぜーんぶ俺は知ってんねんで?…外ではええ子ぶってても、帰ってきたときぐらいは俺に頼ってや?」



「え…?」



「そんなに自分に厳しくなくてもええんちゃう?たまには、自分で自分を思いっきり甘えさせたげな。なんのために俺がおんねん。これからは、こうしてすぐそばで支えたるからな!心配せんでええ。今はゆっくり休み。」



そう言って
彼は私の頭を優しく
ポンポンと撫でながら
ギュッと抱きしめてくれた。



「俺、お前のことめっちゃ好きやで?…それだけは忘れんといてな?」



なんでだろう…?



会ったこと無いはずなのに
彼の胸にギュッとされると
すごく安心して
あったかい気持ちになる。



それに
どうして
こんなに私のことを
知っているんだろ…?







………



……………



そんなことを考えていると
薬が効いてきたのか
私はウトウトと
そのまま眠ってしまった。