からっぽ。

《歩実》



少しだけ、坂下の事を“男”として意識した。

見下していた訳じゃないケド、つい最近まで“興味の無い男”だったのだ。


その坂下が、力強く優しい“男”だったから………



ふと、香子の顔が浮かぶ。

やっぱり今は、坂下と距離をおいた方が良い。


私は、状況がどうなるのか、もう少し様子をみようと思った。





今日は、バイトも休みだから、たまには自炊をしようと、スーパーで食材を買い込んで来た。


『一人分を作るのは、面倒だなぁ……』


ブツブツ言いながら、私は、夕食の用意を始めた時……