からっぽ。

《要一》



不倫をして悩んでいる話は、良く耳にする。

店のお客さんの中にも何人もいるし、珍しい話ではない。


だけど……

歩実さんは、彼の事を悪く言わなかった。

家庭を優先する彼を“当たり前”だと言い、“対等な恋愛”だったと言う。


店で聞くのは、“辛い恋”だという話ばかりだったから、一度だけ行った“温泉旅行”がとても嬉しく、一生の思い出だと話す、歩実さんを見ていたら…

『ドコが対等なんだ?歩実さんが我慢してるだけじゃないか…?』

そう思ってしまう。



歩実さんを、とても愛しく感じた………