からっぽ。

《歩実》



I海岸の外れに、プライベートビーチの様な場所がある。

いつも、波が穏やかで、丁度二人が座れるくらいの岩場があり、夏でも人は少なく砂浜がキレイ……

今の時期、ましてこの時間なら、誰も居ないと思ったから、坂下を、私の好きな場所に連れて行こうと思った。



「こっち」

車を停めて、坂下を案内する。


あの岩場を見付けて、二人で並んで座る。


「良い所ですね…」

「私は、元気を貰いたい時、夜中でもココに来るんだ……」

「一人で、ですか?」

「当たり前でしょ。誰かが一緒なら、元気を貰う必要がないョ」