からっぽ。

「坂下ーっ!お前も飲めーっ!」


ココは、お酒を飲む所だから、酔って騒ぐ事は当たり前。


だが、歩実さんの酔ってる姿は、何となく違和感があった。


『何かあったのかも知れない……』

そう思わせるには、充分な………




閉店時間が近付くと、お客さん達が帰り始めた。


気付くと、店の中には、歩実さんとスタッフだけ。


片付けをしていると、歩実さんは帰ろうとしている。

「歩実さん、タクシーを呼びますから……」

「ん?いらないョ~」

酔っているのに歩くのが速く、先に行ってしまう。


俺は、後の事をスタッフに頼んで、走って追いかけた。