からっぽ。

「要ちゃん、居る?」

香子ママは、お店で貰って来たのだろう、大きな花束を抱えている。



「いらっしゃいませ!
今日は、おめでとうございます」

「今日はね、友達と一緒なの。歩実っていうんだぁ」

「ようこそっ!はじめまして…」


イヤな印象を与えてしまったのか、無表情のまま、軽く頭を下げただけのその人。



滅多にないのだが………


“苦手なタイプ”だった。